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後見の失敗事例

失敗事例１

Aさんは認知症と診断されました。Aさんには２人の子（BさんCさん）がいますが、これまではBさん夫婦が財産管理を行ってきました。

相談者はこのBさんです。

その内容は、CさんがBさんが財産管理することに反対している上、Aさんの財産を狙っているので、専門家である司法書士に後見人になってもらいたいとのことでした。

Aさんは、マンション等の経営を行っており、月100万円近い収入があります。

しかしながら、その収入が全て残っていないことから、Bさんに詳しく話を聞いたところ、実はBさん夫婦が使い込んでしまったという話でした。

これまで６年間も財産を預かってきたということであるので、その額は数千万円にふくれあがります。

おそらく、その辺のところをCさんにも責められ、思い立ったのが成年後見制度の利用だったのでしょう。使い込みをうまくごまかせるとでも思ったのでしょうか。

兄弟間でも親子間でも使い込みなどが発生して、仲違いに発展することが非常に多いのです。

成年後見の専門家で、相続の専門家でもある司法書士に後見人になってもらうのがよいと思います。

失敗事例２

母１人子１人の家庭のお話です。Dさん（母）の判断能力は正常です。

しかし、最近健康を害し入院しなければならなくなりました。

娘のEさんは海外留学中。そこで出てきたのがDさんの兄、Fさんでした。

Dさんが自分で入院費等の支払いができない状態なので、財産管理委任契約を締結し、FさんがDさんの財産を預かることになりました。

財産管理の報酬は月１０万円で、その上、Dさんの病状が悪化すると、ほとんどの財産を受け取れるような遺言を書かせました。

Eさんは母親が入院したことは知っていましたが、重い病状であることや、財産管理委任契約まで締結しなければならないということまで知らされていませんでした。

間もなくDさんが亡くなり、Eさんが帰国して、遺産を確認してみるとほとんどなくなっていました。

このように家族親族ですと、財産管理が非常に甘くなりやすく、結果、血縁関係にある親族間、兄弟間などで争うことになり、非常につらい思いをしなくてはならないのです。

このようにならないためには、成年後見の専門家であり、第三者である司法書士に財産管理をしてもらうことも検討するべきだと思います。